前野まさこ(行政書士)
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こんにちは。行政書士の前野です。2015年に行政書士資格を取り、現在行政書士として許認可業務や企業法務など、中小企業のサポートを中心に業務を行っています。
受験資格がなく、だれでもチャレンジできる行政書士資格。
法律知識を幅広く身につけることができるため、キャリアアップや法学系資格の登竜門としても人気です。
興味はあるけど、資格講座がありすぎて選べない!とお悩みの方も多いかもしれません。
ここでは、行政書士としておすすめの通信講座や、行政書士試験に合格する秘訣などご紹介します。
1.通信講座をおすすめする3つの理由
1)費用が安い
なんといっても、通信講座の魅力はその安さです。
通学講座は20万以上かかるものも多い中、通信講座は10万以下のコースが豊富。
教室運営費が掛からないため、コストダウンできるという理由が大きいようです。
低価格でもテキストや問題集などの教材に力を入れていたり、講師陣に経験豊富な方が多いなど特色はさまざま。
また、通信ならではのオンラインサポートの充実といったサービスがある講座もあります。
一人で勉強を続ける自信がないという方は、サポートサービスが手厚い講座を選ぶとよいでしょう。
2)場所を選ばない
また、通信講座は、教室に通う必要がありません。
自宅でも電車の中でも、スマフォやタブレット、PCがあれば受講できるためスキマ時間を生かして勉強することできます。
私はよくお風呂にスマフォを持ち込んで講義を聴いたりしていました。
天気のいい日は公園のベンチで、などもおすすめです。
行政書士資格に合格するには、4か月から1年あまり、とにかく飽きずに勉強を続けなくてはなりません。
そのため、どこでも勉強ができるというのは大きなメリットと言えます。
3)自分のペースで進められる
そして、通信講座の特長として、「何度でも繰り返し受講できる」という点も見逃せません。
通学授業では、聞き逃したり、いまいち理解できなかった、という時に戻ることができません。
その点、通信講座では何度も視聴しなおしてしっかり理解することができます。
また、多くの通信講座では、速度を早くして倍速モードで視聴することができます。
時間のない方に魅力的な機能です。経験では、1.5倍くらいがおすすめです。
それ以上早いと先生の声のトーンが変わってしまい、頭に入りにくくなります。
さらに、休日にまとめて受講したり、早起きして通勤前のカフェで勉強できたり、自分にあったスタイルを選べます。
いい意味での「マイペース」で勉強をすすめることができるため、忙しい方にぴったりの学習方法と言えるでしょう。
2. 行政書士資格おすすめ通信講座15社ランキング!
1)通信講座のおすすめ 9選
【1】フォーサイト
フォーサイトは、行政書士試験合格率42.6%と高い実績を誇り、通信教育の質には定評があります。
資料請求でもらえるサンプル教材や動画サンプルなどお試しサービスも豊富。
Youtubeリアルタイム講義を行っているのが特長です。
受講料は46,800円(税別・送料別)〜とリーズナブルな上、不合格の場合は全額返金の保証つき。
直前対策や記述式の答練も、通信講座とは思えない充実ぶりです。
教育訓練給付制度が利用できるため、コストパフォーマンスに優れた講座と言えるでしょう。
料金 | ★★★★☆ |
内容の充実度 | ★★★★★ |
口コミ | ★★★★★ |
サポート体制 | ★★★★☆ |
合格率 | ★★★★☆ |
総合評価 | ★★★★☆ |
【2】キャリカレ
キャリカレは初学者でも最短4か月合格をうたうなど、コンパクトなカリキュラムに定評があります。
受講料は46,000円(税別)と低価格な上、「えらべるセット割り」では50,000円で二つ目の講座を選択できたり、行政書士資格に合格すると2講座目が無料受講できたりといった独自サービスがあります。
社会保険労務士とのダブルライセンスを考えている方には魅力的です。
「映像での学習は記憶の残り方が全然違いました」「試験対策がとても参考になった」など口コミの評価も高いようです。
料金 | ★★★★☆ |
内容の充実度 | ★★★★☆ |
口コミ | ★★★☆☆ |
サポート体制 | ★★★☆☆ |
合格率 | ★★★★☆ |
総合評価 | ★★★★☆ |
【3】スタディング
スタディングは、「AirCourse(エアコース)」という社員教育クラウドサービスも提供している、オンライン教育に強い会社です。
受講料は初学者コースが59,800円(税別)と、通信講座の中ではそれほど低価格とは言えませんが、学習経験者コースは29,800 円(税抜)、再受講コースは15,800円(税別)と破格の講座設定となっている点が特長です。
1回目のチャレンジに不安な方、2年かけてじっくり取り組みたい方が、2回分の受講料と考えて申し込むパターンも多いようです。
受講生からは「ストレスなく続けられ、コストも時間も節約できる」「初学者の基礎固めには理想的な構成」と好評です。
料金 | ★★★★★ |
内容の充実度 | ★★★☆☆ |
口コミ | ★★★☆☆ |
サポート体制 | ★★★☆☆ |
合格率 | ★★★☆☆ |
総合評価 | ★★★☆☆ |
【4】クレアール
クレアールは、フォーサイトと並んで通信講座での実績が豊富な会社です。
初学者コース169,000円(税込・送料込)は、通学講座と同等の受講料設定ですが、申し込み時期により50,700円まで割り引きがあったり、学費ローンは12回までは金利負担なしなど必ずしも高額というわけではないようです。
また、受講料返金制度「コンプリート2年セーフティコース」「合格お祝い金」「受験料負担制度」など費用面で不安な方におすすすめです。
料金 | ★★★☆☆ |
内容の充実度 | ★★★☆☆ |
口コミ | ★★★☆☆ |
サポート体制 | ★★★★☆ |
合格率 | ★★★☆☆ |
総合評価 | ★★★☆☆ |
【5】資格スクエア
資格スクエアは、ITを駆使した法律系資格の教材開発に特化したサービスで有名です。
AI(人工知能)が予測した問題をまとめた「未来問」や「脳科学ラーニング」といった、ITをフル活用し、教材の作成やカリキュラム編成を行っており、講師のスキルによってばらつきが生まれない仕組みづくりをしています。
受講料は99,700円(税込)とやや高額ですが、講座視聴に21段階の倍速機能がついているなど独自の付加機能がついている点が特長です。
過去問分析に重点的に取り組んでいることから、問題解答に自信をつけたい方におすすめできます。
受講生からは「テキストが見やすい」など初学者にも安心の声が寄せられています。
料金 | ★★☆☆☆ |
内容の充実度 | ★★★★☆ |
口コミ | ★★★★☆ |
サポート体制 | ★★★☆☆ |
合格率 | ★★★☆☆ |
総合評価 | ★★★☆☆ |
【6】ユーキャン
ユーキャンは、さまざまな分野の通信講座で有名な会社ですが、近年法律系資格にも力を入れています。
メイン「入門テキスト」と「応用テキスト」の2種類に分けて段階的に学習することができるなど、初学者にもやさしいカリキュラム構成。
受講料は63,000円(税込・送料込)とそれほど安くはありませんが、教材のボリュームが充実しています。
「講師の励ましが大きな力になった」「勉強嫌いの私でも合格できた」など幅広い層に評価されています。
料金 | ★★★☆☆ |
内容の充実度 | ★★☆☆☆ |
口コミ | ★★★☆☆ |
サポート体制 | ★★★☆☆ |
合格率 | ★★☆☆☆ |
総合評価 | ★★☆☆☆ |
【7】たのまな(ヒューマンアカデミー)
たのまなは、以前はヒューマンアカデミーという名前でサービスを展開していた会社です。
民間資格の通信講座で実績があり、多様な資格に対応しています。
また、「ヒューマンアカデミーコミュニティ」という掲示板サービスがあるのが特長です。
受講生同士で情報交換できるような講座はあまりないため、一人での勉強に不安のある方には嬉しいところです。
受講料は221,500円(税込)〜と高額ですが、月々10,000円からの支払いに対応しています。
1講義を5~30分と分割しているため、スキマ時間での学習に適しています。
また、サポート終了の1ヶ月前に申し出ることで、通常1年のところ無料でさらに1年延長して受けられます。
短期で合格を狙う方というより、時間をかけてじっくり取り組みたい、自分のペースで合格を目指したいという方におすすめです。
料金 | ★★☆☆☆ |
内容の充実度 | ★★★☆☆ |
口コミ | ★★★☆☆ |
サポート体制 | ★★★★☆ |
合格率 | ★★☆☆☆ |
総合評価 | ★★★☆☆ |
【8】アガルートアカデミー
アガルートアカデミーはなんといってもキャッシュバック制度に特長があります。
コースや条件によりますが、合格した場合は全額キャッシュバック、さらにお祝い金3万円など驚きの内容となっています。受講申し込みの前に、キャッシュバック制度の諸条件を必ず確認しましょう。
また、「Facebookフォロー制度」というFacebookでの学習フォローサービスがあるため、気軽に質問できて安心です。
初学者向け速習カリキュラムが98,000円(税抜)〜、と価格はやや高めですが、資格学校LECで実績のある豊村講師が在籍しており、名物講師の授業を受けられるという点では費用対効果は高いと言えます。
受講生からは「テキストがカラーでわかりやすかった」などの声が寄せられています。
料金 | ★★★☆☆ |
内容の充実度 | ★★★☆☆ |
口コミ | ★★☆☆☆ |
サポート体制 | ★★☆☆☆ |
合格率 | ★★★☆☆ |
総合評価 | ★★★☆☆ |
【9】オンスク
オンスクは、資格学校TACの100%子会社「株式会社オンラインスクール」が運営しています。
基礎がために役立つ教材内容となっていたり、受講の進捗管理がWEB上でできるなど初学者のサポートが充実しています。
初期費用・入会金もなく「ウケホーダイライト」が月額980円(税抜)とサブスクリプション型のサービス形態で、いろいろな資格をためしてみたい方にうれしい設定と言えます。
ランチの値段程度で受講できることから、合わないと思ったらやめる、というような使い方がいいかもしれません。
料金 | ★★★★★ |
内容の充実度 | ★☆☆☆☆ |
口コミ | ★★☆☆☆ |
サポート体制 | ★★☆☆☆ |
合格率 | ★★☆☆☆ |
総合評価 | ★★☆☆☆ |
2)資格学校の通信講座おすすめ 6選
【1】TAC
資格学校TACが提供するWeb通信講座です。
通学とおなじテキストを使用し、通学生が受けている授業をオンラインで視聴することができます。
受講料は190,000円(税込)と通学講座と同じ価格ですが、ミニテストや答練といった達成度をはかるテストも充実。
答練は「デジタル添削システム」で詳細な添削が受けられます。
通いたいけれど近くに教室がない、という方におすすめです。
受験経験者割引・再受講割引・他資格合格者割引・学生応援割引などキャンペーンで割引価格になることが多いため、よく調べて申し込みをしましょう。
料金 | ★★★★★ |
内容の充実度 | ★★★★☆ |
口コミ | ★★★★☆ |
サポート体制 | ★★★★☆ |
合格率 | ★★★★☆ |
総合評価 | ★★★★☆ |
【2】伊藤塾
伊藤塾は、司法試験専門予備校としてスタートした法律資格専門の学校です。
法律学習のノウハウが豊富で、講師によるカウンセリングも熱心に行っています。
受講料は228,000 円(税込)とやはり通学講座と同額ですが、その分「本気度」の高い受講生が多く、模試の結果などでいい刺激を受けることができます。
合格者の声も「WEB受講でありながら楽しく、様々な面から励まされた」「本物の法律家を育てている貴重な塾」といった熱意のある声が多く寄せられています。
料金 | ★★★☆☆ |
内容の充実度 | ★★★★★ |
口コミ | ★★★★☆ |
サポート体制 | ★★★★☆ |
合格率 | ★★★★☆ |
総合評価 | ★★★★☆ |
【3】LEC
LECは、TACと並ぶ有名資格予備校です。
通学講座と同じ内容の通信講座が227,130円(税込)で受講できます。
LECの特長は、名物講師の横溝先生が教えていることです。
熱意あふれる横溝講師の指導は人気が高く、合格するための授業として定評があります。
また、「教えてチューター」というチューターへの質問制度を設けているため、サポート体制も優れています。横溝講師の講座を受講したいが、遠方で通えないという方におすすめできます。
料金 | ★★★☆☆ |
内容の充実度 | ★★★★☆ |
口コミ | ★★★★☆ |
サポート体制 | ★★★★☆ |
合格率 | ★★★★☆ |
総合評価 | ★★★★☆ |
【4】東京法経学院
東京法経学院は、司法試験予備校の老舗です。
六法や法律雑誌を制作している実績から、行政書士講座のテキストは高く評価されています。
受講料94,100円からと通学講座が運営するものとしてはリーズナブルで、その上合格者全員全額返金制度もあるため安心です。
本格的な授業内容が好評のため、法学を学んだことがある方におすすめです。
料金 | ★★★★☆ |
内容の充実度 | ★★★★☆ |
口コミ | ★★★☆☆ |
サポート体制 | ★★★☆☆ |
合格率 | ★★★☆☆ |
総合評価 | ★★★☆☆ |
【5】大原
大原は、専門学校のイメージが強いですが、社会人向けの講座も充実しています。
行政書士講座はweb・dvd・教材から選択でき189,800円(税込)。
教材、というのは印刷されたテキストが送られてくる昔ながらのシステムです。
通信環境が整っていない方や、テキストを読みながら勉強したい方はこちらを選ぶとよいでしょう。
受講生からは「マジメに粘り強く教えてくれます」「講義や模試の回数が多すぎず、講座のスケジュールのバランスが良い」といった評価で、じっくり取り組みたい方にとって不足のない内容となっています。
料金 | ★★★☆☆ |
内容の充実度 | ★★★★☆ |
口コミ | ★★★☆☆ |
サポート体制 | ★★★★☆ |
合格率 | ★★★☆☆ |
総合評価 | ★★★☆☆ |
【6】大栄
大栄はアビバと提携して「ネバギバ」というサービスを展開しています。
行政書士コースは22,650(税込)円と格安。
通信の価格で通学と同じボリュームの学習ができると評判です。
初学者向けに法律用語を話し言葉に直し、身近な例に置きかえるといった工夫をしています。
大栄で一定のレベルまで学習したあとは、実践力として独学でプラスオンの学習を追加するとよいでしょう。
テキストなら独学のテキスト10選の記事が参考になりますので是非ご覧ください!
受講生からも「教材は端的にまとめられていてよかった」と評価されているため、ほかの講座を見て、学習ボリュームに不安を感じた方は、選択肢に入れて検討してみましょう。
料金 | ★★★★☆ |
内容の充実度 | ★★☆☆☆ |
口コミ | ★★☆☆☆ |
サポート体制 | ★★★☆☆ |
合格率 | ★★☆☆☆ |
総合評価 | ★★★☆☆ |
3.こんな講座は失敗する!注意すべき講座の特徴
通信講座はまだまだたくさんあります。
なかには、おざなりの教材を一方的に送るだけだったり、講師のレベルが低く授業が理解できなかったりというおすすめできない講座も残念ながら存在します。
ここでは、おすすめできない講座の見抜き方についてご説明します。
1)テキストの内容が薄い
使用するテキストの内容が不十分で、きちんとカリキュラムどおりに頑張ったのに合格水準にとどかない、という失敗は避けなくてはなりません。
また、法学的系資格の実績が薄く、入門レベルの学習レベルのみ提供している講座は比較的多くあります。
講座の値段の安さがそのまま講師の報酬の低さにつながる場合もあるようで、そのような講座では残念ながら講師のレベルは高いとは言えません。
2)おためしサービスがない
良心的は行政書士資格講座は、いずれも「サンプルテキスト」や「無料講座視聴」など申し込みの前に講座の内容を確かめることができるようになっています。
そのようなサービスを行っていない講座は避けたほうが無難です。
いくつかサンプル動画を見たり、資料請求でサンプルの教材を取り寄せてみたりしましょう。
自分に合いそうかどうかが分かります。
また、行政書士資格の勉強ってこんな感じなんだな、と手に取って見ることで、合格へのモチベーションも上がることでしょう。
4. 行政書士資格試験の内容は?
では、行政書士資格に合格するためには、いったい何を学ばなくてはならないのでしょうか。
行政書士資格は、科目の特性によって学習方法が変わってきます。
勉強に取り組む前に、まずは科目についてざっと把握しておきましょう。
1)メイン科目(憲法・民法・行政法)
最初に学習するのが、憲法です。
憲法は、国の最高法規であり、すべての法律の基礎となるものです。
また、国会についても規定しているため、行政法とリンクしており、重要科目と言えるでしょう。
民法は、民法総論からじっくりと時間を割いて学習します。
初学者の中には苦手とする方も多い科目です。
また、民法は大改正があったため、古いテキストを使用しない・改正によるテキストの修正情報を見逃さない、といった注意が必要です。
行政法は、行政書士にとってはずせない科目です。
「行政法概論」からはじまり、「行政手続法」「行政訴訟法」「地方自治法」まで行政についての法律を幅広く学びます。
「行政書士」という名のとおり、行政書士は行政についてのプロフェッショナルです。
必ず得意科目としておきたいものです。
2)マイナー科目(基礎法・商法・会社法・一般知識)
基礎法学は、法律についての教養のような内容の科目です。
日本の法律にとどまらず、法学全般についての歴史や知識、用語の意味など出題は広範囲にわたります。
法学部出身者ではない初学者にとってはとっつきにくいかもしれません。
法律用語については、契約書を読むときなどに実際に役立ちますので、身近に感じるところから手をつけていくのがポイントです。
商法・会社法は、勉強すればビジネスパーソンとして役に立つ側面の大きい科目です。
企業で管理部門に勤めている方は、会社法を知ることで株主総会の手続きや商業登記のやり方など、実務に直結する部分があり学習しがいがあると言えるでしょう。
最後に、一般知識ですが、この科目はもっとも勉強しづらいと言えるかもしれません。
中学・高校レベルの社会科や政治経済のテストを思い出す方も多いようです。内容も多岐にわたるため、テキストで勉強するというより、日頃から新聞を読む、TVのニュースで話題になっていることを抑えておく、といった姿勢がいいでしょう。
一般常識に強い方には、それほど努力せずに得点源となる、ありがたい分野でもあります。
3)試験日について
行政書士資格試験は、毎年、11月の第2日曜日に行われます。
年1回の実施ですので、申し込みは確実にしておきましょう。
試験は、13時から16時までの休憩なし3時間で実施されます。
各大学や資格学校のキャンパスを借りて行われるため、古い大学など試験会場によっては暑かったり寒かったり、交通が不便なところになってしまったりします。
申し込み順に会場が決まりますので、たとえば母校で受けたいといった希望がある場合は、早めに申し込むようにしましょう。
受験希望校は、申し込みの際に第3希望まで記入できます。
5. 行政書士資格は難しい?
さきほど、試験の内容について触れましたが、たくさんの法律科目が並んでいるのを見て、やっぱり自分には無理かも・・・?と思ったかたもいるかもしれません。
1)法学部を出ていなくても合格できます!
法律をきちんと学んだことがなくてもいいの?、と思っている方も多いかもしれません。
行政書士になると、法学部出身でない方も、大学卒業していない方も数多く活躍されていることがわかります。
私自身も、大学こそ出ていますが卒業した学部は文学部です。
それでも、しっかりしたテキストに沿って学習を進めれば、きちんと実力がつき、合格することができました。
行政書士資格講座は、そういった法律を初めて学ぶための「初学者」向けコースが豊富に揃っています。そのため、大学4年間で学ぶより、法律を効率よく網羅的に学ぶことできます。
もちろん、法学部で体系的に学ぶこととは大きく違いますが、「合格するための力」をつけるための勉強でいいのです。
そのためのノウハウは、各講座のテキストでわかりやすく説明されています。
法律についてゼロからのスタートでも、たくさんの方が合格できる資格と言えるでしょう。
2)難易度や受験生の傾向は?
行政書士資格はの難易度はどの程度でしょうか。例年の平均はだいたい10%前後で推移しています。
合格基準については、以下のように公表されています。
合格基準
① 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50パーセント以上である者
② 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、満点の40パーセント以上である者
③ 試験全体の得点が、満点の60パーセント以上である者
(注) 合格基準については、試験問題の難易度を評価し、補正的措置を加えることがあります。(行政書士試験センター)
合計300点のうち、180点を超えれば合格です。
ですが、法令科目で満点だったとしても、一般知識等が40%以下の場合は不合格となります。
全体的にまんべんなく得点する必要があります。
記述式問題(民法・行政法分野からの出題がほとんど)は配点が60点と大きなウエイトを占めています。
しかし、これはほとんどの受験生が部分点で10点〜40点程度取っていくかたちになっていますので、それほど気にすることはないでしょう。
知識が身についてくれば、自然と書けるようになります。
受験生の傾向を見てみると、10代から60代以上と幅広く、受験する方の職業もまちまちです。
受験資格が、年齢・学歴・国籍などすべて不問となっている点も見逃せません。
また、受験料も7,000円とそれほど高くないためか、あまり真面目に勉強に取り組んできていない層も一定数受験します。
合格率10%前後という数字は、このあたりを加味して考えるといいでしょう。
このことから、「本気で合格しようと勉強してきた人」で絞り込むと、案外高い合格率が出るのでは、と言われています。
6. 合格する秘訣!私の勉強法をお教えします
1)100%ではなく60%を目指す
行政書士資格試験に合格するには、300点中180点、60%を取りさえすれば大丈夫です。
実際の試験では予測できないことも起きますので、余裕を見て65%あたりを想定しても、195点。
100点以上間違えても合格できます。
つまり、試験範囲を完璧にする必要はないといえます。
行政法分野は9割以上は取りたいところですが、民法は深入りしてもそれほど点数に結びつかないため、分からないからといって真面目に取り組みすぎると、他の科目が手つかずになってしまいます。
勉強にも緩急をつけましょう。
多くの講座では、どの科目のどのあたりに力を入れるか、どのあたりはさらっとでいいか、などのアドバイスももらえます。
熟練の講師ほど出題傾向についての知識が豊富です。どんどん頼りにしてしまいましょう。
2)マイナー科目に深入りしない
マイナー科目と言われることが多いのは、「商法・会社法」「基礎法学」の二つの科目です。
ここに「地方自治法」が加わる場合もあります。
いずれも、法律科目としての範囲が広く、かつ出題傾向が絞りにくく、そして出題数が少ない、といった共通点があります。
「地方自治法」については、できれば「行政法」の一部としてできるだけ時間を割いたほうがいいと思います。
しかし、「商法・会社法」と「基礎法」は、最低限だけ学習すればいい、という姿勢で取り組んでください。
ここで深みにはまると、合格からどんどん遠ざかってしまします。
いい講師のいる講座では、「マイナー科目でも、これだけは抑えておこう!」など合格に必要な学習ポイントを教えてくれます。それを活用しましょう。
3)行政法を得点源にする
対象的に、一番時間を割いて勉強すべきなのが行政法の科目です。
嬉しいことに、勉強すればするだけ得点につながるため、頑張りがいがあります。
努力がなかなか点数に結びつかない民法と違い、行政法は勉強したその日から、確実に得点源となりえます。
点数ウエイトの大きい記述式は、行政法からも出題されます。
その点からも、行政法は90%前後の仕上がりに持って行くことが、確実に合格する秘訣です。
一つの科目で自信をつけることからはじめましょう。
得意科目を持つことで、やみくもに無駄な勉強をすることなく、効率のいい学習をすすめることができます。
7 行政書士の仕事とは?実務をご紹介
1)行政手続に関する仕事
行政書士の仕事の中で、メインとなるのが官公庁への許認可や届出を代理する仕事です。
飲食店を経営したり、美容院を開く、あるいは建設業での届出など、内容は多岐にわたります。
また、「申請取次行政書士」となることで、外国人の在留資格やビザ取得に関する専門家としての活躍が期待できます。
外国人雇用の促進を政府が主導していることから、現在最も需要のある分野です。
2) 企業の法務に関する仕事
民間企業において、企業同士や企業と個人が契約を交わす際に、その内容をチェックし、法的に問題ないか、一方的に不利な契約となっていないかなどの「リーガルチェック」を行う仕事です。
もちろん大企業においては、顧問弁護士の先生がその役割を果たしている場合もあります。
行政書士が必要とされるのは、中小企業や個人経営のお店、個人事業主など「弁護士先生に頼むまでもないけれど、ちょっと見てほしい」というようなところにニーズがあります。
日本の企業の99.7%を中小企業が占めている(独立行政法人 中小企業基盤整備機構https://www.smrj.go.jp/recruit/environment.html)ということをご存じでしょうか。
行政書士の法務は、地域の小さい会社や地元の優良企業など、幅広い需要に応える業務です。
3)民間の困りごとに関する仕事
相続や離婚、交通事故の示談など、日々の生活においても法律に則った文書の作成が必要となることがあります。
裁判や調停といった争いごとの場合は、弁護士などの資格を持っていないと関わることはできません。
しかし、「争ってはないけれど、合意した内容について法的な書面を作っておきたい」といったケースも多々あります。
たとえば、協議離婚をする際に財産や親権などお互いしっかり話し合って決めたけれど、その内容をきちんと文書に残したい、などの場合です。
地元密着で開業されている行政書士は、こういった「町の困りごと」のサポートに手厚い方が多いようです。
8. 行政書士に合格したら
1)転職のすすめ
行政書士資格をお考えのみなさんは、合格後にどのようなビジョンをお持ちでしょうか。
行政書士資格にチャレンジされる方は、これまで法律関係の仕事はしてこなかったけれど、努力家で前向き、真面目な方が多いのではないかと思います。
そういった方におすすめしたいのが「企業の法務」への転職です。
法務系の職種は、例えば派遣社員の場合でみると、時給2000円以上と好待遇なポジションです。
もちろん、正社員として法務職を検討するのもいいですが、資格を取ったばかりで転職するほどのキャリアは誇れない、という方は、派遣社員として法務職をはじめてみるのはいかがでしょうか。
とにかく実務に触れることです。
積んだ経験は、その先のキャリアに確実に結びつくことでしょう。
2) 開業のすすめ
スタンダードなプランとしては、開業も検討してみましょう。
行政書士は、自宅で・一人で開業できるため、雇われるのではなく何か自分で事業をやってみたい、という独立心が旺盛の方にはぴったりです。
ただし、開業しただけでは仕事はこないため、営業活動や人脈をつくるといった社交的な部分も求められます。
すでにある程度人脈を生かした収入が見込める方は、すぐ開業しましょう。
行政書士の奥深い世界があなたを待っています。
詳しくは、行政書士として開業する前に!の記事を参考にしてみてください!
3) 行政書士登録について
行政書士資格に合格し、行政書士会に登録することで「行政書士」となることができます。
東京都行政書士会の場合 | |
登録手数料 | 25,000円 |
入会金 | 200,000円 |
3ヶ月分の会費 | 18,000円 |
登録免許税 | 30,000円(収入印紙) |
合計 | 273,000円 |
入会金が高いため、登録にかかる経費は意外と高額です。
最初は、自宅開業など事務所経費を抑える行政書士も多いようです。
私の場合は、自宅開業はセキュリティ上の不安があったため、レンタルオフィスで開業しました。
場所や広さによりますが、都内でも2万〜5万程度で個室を借りることができます。
また、行政書士同士で共同事務所を借りるなどのケースもあります。
いずれにしても、安くない登録料を払うのですから、長く続けられる環境を作ることが重要です。
9. まとめ
実体験をもとに、行政書士資格の通信講座のおすすめ、合格の秘訣や勉強のコツなどご紹介しました。
通信講座は、講師やテキストとの相性も大切です。
資料請求や無料講座の視聴などをいくつか試して、自分にぴったりの講座を見つけてみてください。
また、試験内容や合格後のキャリアプランなど、講座選びの段階から考えておきたい「先のこと」についてもご説明しました。
行政書士の仕事は一般的にはイメージしにくいですが、幅広い、自由度の高い内容となっています。
キャリアを積んで顧問契約を結んだり、専門に特化したコンサルティング業を行ったりといったことも可能です。
法律は、知れば知るほど自分にとって味方となる頼もしい存在です。
ぜひ、行政書士資格にチャレンジして、「法律を知る喜び」を体験してみてください。
よい行政書士資格講座に出会えたら、その喜びはきっとそのまま合格へと通じていることでしょう。
前野まさこ(行政書士)
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