前野まさこ(行政書士)
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最近は合格即、独立開業という方が増えてきていると聞きました。
資格を取る前から、開業を決意されている方が多いのかもしれませんね。
自営業などの経験がない方にとっては、会社に属さない働き方について、あまり知識がなく不安に思うかたも多いのではないでしょうか。
失敗しない行政書士開業のためには、やはり事前の情報収集が欠かせません。
今回は、合格前から知っておきたい開業する前の注意点や、開業前から役立つおすすめブログをご紹介します!
この記事を読むメリット
- 行政書士開業のために注意するべき点がわかる
- 合格後から開業までの有効な過ごし方がわかる
- 開業準備について具体的に知ることができる
- 開業前から他の行政書士と差をつけたスタートを切ることができる
開業前に知っておきたい!行政書士開業についての5つの注意点
行政書士を開業するにあたっては、すでに開業している方々のお話を聞くのが一番です。
すんなり開業できた方もいるでしょうし、たくさんの問題をクリアしなくては開業できなかった方もいらっしゃいます。
【注意点 1】合格から開業までの道のり
最初にすべきことは、まず合格!これは異論のないところですね。
弁護士や税理士などの他士業の資格をすでにお持ちの方、公務員勤続年数が規定に達している方などが行政書士となる場合は、無試験で登録可能です。
しかし、大半の方は、毎年11月に1回だけ行われる行政書士試験に合格して開業することでしょう。
毎年11月の第2日曜日の午後1時から午後4時の3時間、休憩など挟まず実施されます。
年に1度しかチャンスがないため、何回もチャレンジしている方もいます。
誰でも、何回でもチャレンジできるのが行政書士試験の良さですが、資格試験勉強が何年にも渡ってしまうのは厳しいですよね。
おすすめの資格講座15選の記事で詳しくご紹介しています。
無事合格を勝ち取ったら、まずは、行政書士会のHPで登録書類をダウンロードしましょう。
必要書類や事務所の要件、開業の際の名前の決め方など、必要なことが書いてあります。
【注意点 2】開業費用は余裕を持って!いくらかかるの?
行政書士の開業はいったいいくらくらいかかるのでしょうか。
行政書士の開業は、たとえば飲食店開業などと異なり設備投資はあまりかかりません。
ただし、行政書士会への登録費用を一括で支払う必要があります。
登録費用についてはあとで詳しくご説明しますが、だいたい30万円くらい掛かると見てください。
その30万の登録費用に加えて、事務所費用がかかります。
<一般的な開業費用>
事務所初期費用 (敷金など) |
10〜30万円 |
家賃 | 3〜10万円 (毎月) |
通信費 (電話・fax・インターネット) |
5,000〜1万円 (毎月) |
事務用品 | 5,000〜2万円 |
職印 | 5,000円前後 |
職務上請求書書 | 750円 |
バッジ代 | 2500円 |
書籍代 | 2〜3万円 |
事務所には、この他にデスク、キャビネット、毎月の光熱費なども必要となります。
パソコンやファックス機、コピー機を新たに導入される方はさらに費用が必要です。
自分はレンタルオフィスで開業したのですが、敷金礼金がかからず、オフィス家具は備え付けのため初期費用を抑えることができました。
レンタルオフィスには行政書士会の事務所要件を満たしていない物件もありますので、よく確認してから契約しましょう。
開業して最初から顧客に困らない方は、それほど多くないでしょう。
もちろん、ゼロからのスタートとならないように開業前からの営業活動は必須です。
しかし、それでも最初の半年から一年は収入はかなり不安定です。
そのような中で、これまで給料から自動的に支払われていた保険料、年金、税金をはじめ、生活費や家賃、ローンなどを払っていかなくてはならないんですね。
資金は蓄えておく
そのため、生活するために必要な金額と、支払わなくてはならない保険料や税金などの毎月の合計を算出して、最低でもその6ヶ月分の用意はしておきたいものです。
自分の場合は少ない蓄えに加えて退職金を開業資金としましたが、退職金をあてにできない方は、開業前にまず資金をしっかり蓄えましょう。
【注意点 3】どれくらい?登録完了までの期間
開業資金の目途も立ち、事務所の名前や場所も決まったら、すぐに登録申請に移りましょう。
申請してすぐには活動できないことに注意!です。
事務所を決めてからでないと申請できないため、残念ながら登録完了までは「事務所を借りたのに営業できない」ということになります。
家賃は出ていくのに仕事ができないのはつらいですが、名刺作成やHP・ブログの準備等、しなければならないことはたくさんあります。
ぐっとこらえて登録完了後スムーズに活動できるよう準備をしておきましょう。
【注意点 4】事務所選びは慎重に
どこで開業するか?も重要です。
自宅開業ができる方はいいのですが、自宅で開業できない方、また自宅での開業を躊躇される方も多くいらっしゃいます。
そのため、事務所は公開されてもいい住所を選ばなくてはなりません。
もしもすでに専門特化したい分野が決まっているなら、その分野の仕事が多そうな場所にするといいかもしれません。
たとえば外国人ビザに特化したいのなら、外国人の居住率の多い地域に事務所を構えるなどです。
そうはいっても、HPやブログによる集客の割合が増えてきている昨今では、事務所のロケーションはそれほど深刻に捉えなくてもいいでしょう。
自分の場合は都内の自宅近辺で事務所を探していたのですが、自宅近辺のオフィス向け賃貸は人気があって賃料の高い物件ばかりでした。
そこで、すこし自宅からは離れるものの、電車の乗り換えが便利な古い繁華街の一角で事務所を開業しました。
実際開業してみると、外に出ていることが多いため交通の利便性も大きなポイントとなることが分かりました。
自営業の事務所家賃は月収のおよそ1割といいますから、それを参考に、できるだけ安く抑えるようにしたいものです。
【注意点 5】行政書士法を把握しよう
行政書士試験には、「行政書士法」という科目はないですからね。
行政書士法は、行政書士が任務を遂行する上で必要なことが規定されている法律です。
なぜ資格試験に出ないのか?一説には簡単な問題しかつくれないため・・・などと言われていますが真偽は不明です。
ともあれ、行政書士法を学んだことのある方は少数かと思います。
一回ですべてを把握するのは難しいですが、開業前にざっと目を通しておきうっかり法に触れることのないようにしましょう。
また、非弁行為(資格がないのに弁護士業務を行うこと)、非司行為(資格がないのに司法書士業務を行うこと)など他士業の業務を行わないためにも、関係法令は把握しておきましょう。
どうすればうまくいく?試験勉強中から合格後まで開業準備3つのコツ
机とPCがあればすぐにできてしまいそうな開業ですが、意外と踏まなくてなならない手順が多いことがお分かりいただけたでしょうか。
【その 1】業界リサーチをしよう!
業界リサーチは、どんな種類の仕事であっても欠かすことはできません。
それは行政書士業界でも同じです。
たとえば新しい法律の施行により新しい許認可ができたり、政府の方針で特別な補助金が決定されたりなど、その時々のトレンドがあります。
最近では、ドローン新法の成立により、ドローン関係の許認可が新しく行政書士取り扱い業務として脚光を浴びています。
トレンドを理解しておく
トレンドに左右されない業務はもちろんたくさんありますが、自分の取り組もうとしている仕事は行政書士業界でどのような位置づけなのか、リサーチしておきましょう。
狙い目だと思ってスタートしてみたものの、実は他の行政書士の方にもとても人気がある分野で、フタを開けてみたらレッドオーシャンだったということもありますからね。
【その 2】無事合格!開業に向けて
結構タイムラグがありますが、実は受験直後の自己採点などで、合否予想があらかじめできている方も多いのです。
そのため、自己採点で合格点を取れた方は、すでに受験直後の時期から開業に向けて動き出します。
合格即開業を予定されている方は、できるだけ早く動き出すようにしましょう。
開業する場所を決めたり、職場を退職する方は引き続きをしたりと多忙な毎日となります。
同時に、登録申請に必要な各種証明書を取得したり、証明写真を用意したりなどのこまごまとした用事をこなさなくてはなりません。
スケジュール進行表やチェック表などを最初に作成し、漏れのないようにしましょう。
自分の場合は、チャットツールのリマインダー機能に期限付きで登録し、タスクを忘れないようにしました。
簡単なものでいいので、自分に合った方法で準備を進めましょう。
【その 3】開業までの3つのステップ
行政書士開業にはそれほど難しい手続きがあるわけではありません。
ただし、退職される方はその手続き、副業として開業行政書士となる方は職場の副業許可を得るなど、それぞれの状況によって次に挙げるステップ以外のことも発生します。
【STEP 1】事務所を決める
「事務所選びは慎重に」の項でも述べましたが、開業にはまずは事務所を決める必要があります。
自宅で開業される場合も、OA機器やキャビネットを購入したり依頼者と面談をする場所を作ったりする必要があります。
賃貸事務所やレンタルオフィスで開業される方は、物件を複数見てコストパフォーマンスのよい場所を選ぶようにしましょう。
【STEP 2】行政書士会に登録申請
登録申請書は添付書類も含めると記載事項が多く何枚にも渡ります。
東京都行政書士会の場合ですが、登録申請には電話予約が必要でした。
電話予約して行政書士会に書類を持参します。
入会金などは口座振り込みをしますが、会費は窓口で支払います。
また、登録免許税は収入印紙を購入して持参しますので注意しましょう。
<東京都行政書士会の場合>
入会金 | 200,000円 |
登録手数料 | 25,000円 |
会費(3ヶ月分前払) | 21,000円 |
登録免許税 | 30,000円 |
【STEP 3】登録審査完了後、開業
そして、三週間から1ヶ月の間に審査が行われ、無事審査終了となれば、晴れて「行政書士」を名乗って仕事をすることが可能となります。
自分は、依頼者がいつ来てもいいように面談シートを作成したり、名刺や封筒を作ったり、事務所の文具を揃えたりしていたら、1ヶ月はあっという間でした。
面談シートは、テンプレートなど配布されてもいますが、依頼者のヒアリングを効率よく申請書式に落とし込めるような自分にあったものを用意したほうが結局は早道となります。
開業までに読んでおきたい!現役行政書士おすすめブログ10選
さきほどご紹介した行政書士会のサイトでも、登録に最低限必要な情報収集はできますが、それだけでは不安だという方も多いかもしれません。
その中から、是非読んでいただきたいおすすめブログ10選をご紹介いたします。
【1】「横溝慎一郎行政書士合格ブログ」
受験生にはおなじみ、LECの横溝先生のブログです。
的確で熱意ある指導がブログからも感じられ、モチベーションを保つのにも役立ちます。
ときどきUPされるこだわりのファッション記事も勉強の息抜きに。
合格までの悩みや迷いを吹っ切るのに最適なブログです。
ここがおすすめ!
試験に役立つ対策や知識の深掘りができる
twitter:https://twitter.com/syokomizo
【2】「ショッシーサロン」
https://shossy.com/kaigyou20200122/
合格後、即独立開業されたかみやま先生のブログです。
ブログでの活動やオンラインサロンなど幅広くWEB上で活躍されており、開業後のWEB活用に役立ちます。
「WordPressを使っている行政書士がチェックすべき3つのポイント」など、具体的な内容が多く、すぐに活用できる記事が多いのが特徴です。
ここがおすすめ!
合格後即開業のノウハウが分かる
twitter:https://twitter.com/maco_kamiya
【3】「行政書士を47歳で開業する日記」
仙台で開業されているみとで行政書士事務所の三土手先生のブログです。
47歳からの開業の足跡を赤裸々に綴った記事は読み応えがあります。
具体的な受託案件なども記載されているため、開業後の自分の生活を想像しやすくなるかもしれません。
ここがおすすめ!
開業後のリアルな仕事内容が分かる
【4】「行政書士開業部」
https://gyouseisyosi-kaigyou.com/
前場亮事務所の前場先生の「行政書士開業部」です。
開業と集客コンサルに絞った内容となっており、開業に関する情報が豊富に揃っています。
無料で読める開業ガイドはやや辛口ながらも、「まだ開業しないほうがいい場合」など実際に役立つ内容となっています。
ここがおすすめ!
開業後の集客ノウハウがわかる
【5】「ギョーショのオンラインGYM」
https://note.com/syoshikawa/m/m43012a0ebed1
ヨシカワ先生による、行政書士専用の無料オンラインサロンです。
名刺SNSの利用の仕方や「個人行政書士の戦い方」などポイントを絞った記事はボリュームもあり、最初の一歩を踏み出すのにきっと役立つでしょう。
ここがおすすめ!
行政書士の分野にとらわれない話題が読める
【6】「行政書士の学校 開業マニュアル」
https://magazine.gyo-gaku.com/category/practice-manual/
行政書士による行政書士のための情報サイト「行政書士の学校」が運営するブログです。
開業マニュアルでは基本的な開業のノウハウを知ることができます。
有料となりますがセミナーも実施しており、現役の行政書士から実務を学ぶことができるため、まさに「学校」の名にふさわしいサービスです。
ここがおすすめ!
開業後の仕事のやり方がトータルで学べる
【7】「キヨシの行政書士開業マニュアル」
https://gyouseisyosi-kaigyou.net/
行政書士として開業されている「キヨシ」先生の開業マニュアルブログです。
開業に的をしぼり、ひとつひとつ実体験に基づいた詳細な内容となっています。
「行政書士事務所の名前の決め方」など開業前に悩むポイントもくまなくフォロー。
記事ボリュームも充実しており、リズム感のある読みやすい文体でつい引き込まれてしまいます。
ここがおすすめ!
開業について知りたいことが、実例を挙げて必要なだけ揃っている
【8】「行政書士ブロガー/マーケター ナガシマガジン」
https://xn--mcka6af0gwf8f.com/
行政書士ブロガー兼ウェブマーケターの長島雄太先生の「ナガシマガジン」です。
「《初心者でもわかる》行政書士のためのマーケティング7step戦略!」など、マーケティングを意識した記事は、ウェブマーケーターの知識を生かして読み応えのある内容です。
SEOやリスティング広告についての記事も卓越しており、WEB集客を中心に開業をお考えの方は必読です。
ここがおすすめ!
WEB集客でするべきこと、してはいけないことが分かる
twitter:https://twitter.com/nagashimagazine
【9】「開業行政書士ブログ ひろらんぷ」
開業5年目の行政書士「ひろ」先生のブログです。
シンプルでわかりやすい記事は、行政書士試験情報から開業後の収入安定まで幅広い内容を取り扱っています。
1つの記事に知りたい情報が読みやすくまとまっているため、資格勉強の合間のモチベーションアップに適していると言えるでしょう。
ここがおすすめ!
試験を受ける前から開業後のことが具体的に分かる
【10】「サポート行政書士法人 ブログ」
https://www.shigyo.co.jp/blog/
大手行政書士法人「サポート行政書士法人」のブログです。
所属行政書士の方々が執筆している日替わりブログのような形態となっており、さまざまな先輩行政書士の先生の声を聞くことができます。
開業か行政書士法人に所属するかを悩んでいる方に参考になるブログと言えるでしょう。
ここがおすすめ!
行政書士法人の仕事内容や働き方が分かる
行政書士として開業するメリット
国家資格である行政書士資格を生かすには、やはり開業するのが一番です。
「町の法律家」とも言われ、取り扱うことのできる許認可は1万種類とも言われる行政書士。
開業によるメリットはどのようなものがあるでしょうか。
開業のメリット
- すべて自分で決められる
- 自分の頑張りが100%自分の売上となる
- 他業種の独立開業の方とのつながりができる
- 定年がない
- 理不尽な上司や同僚・後輩がいない
一つひとつ、解説していきます。
【メリット 1】自分のペースで仕事ができる
独立したい方の多くは「自分のペースで仕事ができる」ことを望んでいるのではないでしょうか。
独立すると、決められた出勤時間もスケジュールもありません。
すべては自分次第で決められます。
会社を辞め開業してしばらくは「定時がない」という感覚がピンとこなかった私も、慣れてくると適切な休みの取り方や時間配分などできるようになりました。
自分の時間を自分のペースでコントロールできるところが、まず最大のメリットと言えます。
【メリット 2】自分の頑張りが100%自分の売上となる
会社では、思うように評価されず昇給やボーナスが期待外れになることも多いものです。
組織で働く以上、個々人の頑張りがそのまま給料に反映されるわけではないからです。
しかし、個人開業をする場合は、売上はすべて自分の頑張りの結果です。
どのような営業・集客を行い、どれだけ仕事をするか。
詳しい給与などは、行政書士の年収と給与の記事が参考になります。
【メリット 3】他業種の独立開業の方とのつながりができる
行政書士として個人で開業し、ある程度名前が知られてくるとさまざまな分野からお声がけをいただくようになります。
たとえば店舗営業許可系の案件を受託すると、その業界とのつながりが生まれます。
そこからさらにその人脈から別の職種の自営業の方と知り合うことができ、仕事につながっていきます。
このように自分で開拓していった人脈は、他の誰にも真似できない強みとなります。
また、仕事の面だけでなく、知らなかった世界を知ることは自分自身の豊かさにも大きく貢献します。
【メリット 4】定年がない
独立開業する上で、会社勤めと大きく異なる点は「定年退職」という概念がないというところです。
40歳、50歳となってくると組織の中での仕事に先が見えてしまうこともあると思います。
定年後再雇用制度を設ける企業も増えてきましたが、定年前の収入は約束されていません。
定年年齢となっても働き続けたい、社会の役に立ちたいと考えると、定年のない行政書士は両方の観点からもうってつけと言えます。
【メリット 5】理不尽な上司や同僚・後輩がいない
会社の中で働くということは、多かれ少なかれ、組織の理不尽さに耐えたり受け流したりしながら仕事をするということでもあると思います。
独立すれば、そういった職場の人間関係の悩みは一切なくなります。
組織やチームワークで成果を上げる仕事が苦手な方、一人で全部やっていくほうが得意な方には最適の選択となるでしょう。
行政書士として開業するデメリット
とはいえ、開業するということは、会社組織などから独立し、一人でやっていくということ。
マイナス面も存在することは事実です。
どのような点が、デメリットと言えるでしょうか。
開業のデメリット
- すべてはお客様次第
- 売上確保は自己責任
- 常に勉強しつづけなくてはならない
こちらも一つずつご説明します。
【デメリット 1】すべてはお客様次第
何もかも自分で決め、自分のペースで仕事ができる反面、直接のお客様となる依頼者の存在は大きく仕事を左右します。
行政書士は、依頼をいったん引き受けたら最後までやり通す責務を負っています。
最初のヒアリングでは容易に感じた案件が、依頼者の都合によりなかなか終了に至らず売上に結びつかないなどというケースも起こりえます。
依頼者と二人三脚で仕事をしていく姿勢を取れない方には大きなストレスとなってしまうかもしれません。
【デメリット 2】売上確保は自己責任
会社勤めでは当たり前のように毎月きまった給料日にはお給料が支払われていました。
しかし、開業行政書士となると、自分で仕事を獲得し、売上を得なくてはなりません。
ベテランの大先生ともなれば自然と次々に依頼が来るかもしれませんが、開業ほやほやの行政書士は、誰にも知られていないため勝手に仕事がやってくるということはありません。
会社に行って、その日ある仕事を漫然とこなすという姿勢は脱却する必要があります。
こんな人は大丈夫!
一方、自分で仕事をガンガン獲得していきたいという方はデメリットにはならないでしょう。
そこまでではないとしても、能動的に仕事を見つけてく能力のある方なら問題ないと考えられます。
自分の場合は営業とはあまり縁のない総務部門を担当していました。
そこでは、会社の中で置き去りにされていた問題点などを掘り下げ、改善していく提案を行うような仕事をしていました。
課題を見つけて改善していくという、一見営業活動には直結しないような行動も、今では開業に当たって役に立っていると感じます。
【デメリット 3】常に勉強しつづけなくてはならない
士業一般に言えることですが、資格取得だけで勉強が終わるわけではないという点が挙げられます。
行政書士資格に合格しても、そこからさらに実務の勉強、関係法令の勉強、初めて取り組む許認可についての勉強、法改正や新法についての勉強など、日々学んでいかなくてはならないことがたくさんあります。
こういった勉強は、知識欲が満たされ仕事の出来に直結するため、嫌な方はあまりいないかと思いますが、資格合格だけを目標に勉強された方には大きなデメリットとなってしまうことでしょう。
勉強に必要なテキストについては、おすすめテキスト10選の記事を参考にしてみてください。
仲間?ライバル?同期の行政書士との付き合い方
行政書士会に登録すると、同じ時期に登録した「同期行政書士」と出会うことができます。
合格後数年経ってから登録する方も多いため、合格時期はばらばらで年齢や経歴もさまざまです。
これらの同期行政書士は、いってみれば仕事を奪い合うライバルです。
とはいえ、ぜひできるだけ多くの方と知り合い、横のネットワークを作っていくことをおすすめします。
情報交換の面でもお互い頼りになる存在となれます。
無闇にライバル視することなく、友好関係を築いていくようにしましょう。
行政書士資格は一生モノ!だからこそ考えたい「いつまで続けるか」
行政書士資格は、いったん合格するとそれが一生有効です。
合格後すぐに登録しなくても、開業したくなったタイミングでの登録が可能です。
自分も、合格後3年間は準備期間として会社勤めを続けました。
また、在職中に資格に合格して定年退職まで勤め上げ、その後開業される方もいらっしゃいます。
【1】平均3年で廃業?行政書士開業の実態
実は、開業後3年以内に廃業する行政書士が多いという説があります。
この「行政書士3年廃業説」はデータに基づくものではないのですが、開業している立場の実感として、3年以内に廃業する方が多いというのは否定できないところです。
ただし、やっぱりやっていけない、という廃業もあれば、よりよい仕事に転職できたり別の事業が多忙になったりという発展的な開業も多いのではないかと思います。
【2】「いつまで続けるか」と「いつまで続けられるか」
そんな中で、「いつまで続けるか」は同時に「いつまで続けられるか」ということでもあります。
3年後、5年後、10年後を見据えて、行政書士としてどのようにキャリアを積んで行くか、また、どうすれば継続して仕事を受けていけるか、を考えましょう。
行政書士は副業としても人気が高い!資格取得はおすすめ
開業一本でやっていくには自信がない、という方には「副業行政書士」という選択もおすすめします。
詳しくは、行政書士は副業できる?の記事も参考にしてみてください。
【1】増えている?副業行政書士という選択
フルタイムで行政書士業務を行うのは難しいかも、とお考えの方も、副業行政書士として開業してみると、国家資格の強みを実感できることでしょう。
開業するからには、受託義務が発生するなど責任を伴いますが、働き方が多様化している今、副業行政書士という選択は、他の副業同様に人気を集めています。
ダブルワークを国家資格で始めることができるというのも、行政書士資格ならではと言えます。
【2】初めての法律系資格にチャレンジなら、行政書士!
法律系資格をどれか一つ取得したい、という方にも、副業開業が可能な行政書士資格について一度検討されることをおすすめします。
法律系の資格はビジネス実務法務検定などもありますが、認知度の点で言えばそれほど高くありません。
また、東京商工会議所が認定団体である公的資格ではあるものの、国家資格ではないため、行政書士資格とは大きく性質が異なります。
より幅広く法律知識を生かしたいとお考えなら、行政書士資格への挑戦をおすすめします。
資格スクエアならオンライン学習で行政書士資格が取れる!
オンライン資格試験対策講座の「資格スクエア」は、AIによる本試験問題予測などユニークな試験対策が人気です。
行政書士試験講座は、合格パックが99,700円(税込)となっており、実務講座のフォローあり!
基礎から直前対策までをしっかり学ぶことができるため、行政書士試験に初めて挑む方でも、安心して勉強を進めていくことができるんです。
料金 | 99,700円(税込) |
初心者おすすめ度 | ★★★★☆ |
過去問対策 | ★★★★☆ |
合格フォロー制度 | 実務講座あり |
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\基礎から直前対策まで網羅!/
AIによる本試験問題予測など他にはない対策も!
その他おすすめの講座は、おすすめの通信講座15選の記事をご覧ください。
まとめ
ここまで、現在行政書士資格に挑戦されている方、挑戦しようか迷っている方に、資格取得後から開業までについてご説明してきました。
行政書士資格に興味を持たれたということは、行政書士適性の最初のハードルはクリアできていると言えます。
資格に合格しても行政書士として登録せずに、企業内で法的な知識を生かした仕事に就くなど、合格者のその後はさまざまです。
その中で開業したい!と思われる方は、是非この記事の注意点を参考にして、失敗しない開業スタートを切っていただければと思います。
前野まさこ(行政書士)
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