薬事法管理者

【薬剤師にもおすすめ】薬事法管理者を取得する5つのメリットと活かし方

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木村ひかり(薬事法管理者)

木村ひかり(薬事法管理者)

薬剤師の資格を取得後、仕事の幅を広げるために薬事法管理者の資格も取得しました。 現在は薬剤師と薬事法管理者の資格を活かしながら医薬品やサプリメントなどの文章を作成したり監修したりを行っています。 詳しいプロフィールはこちら
こんにちは!薬剤師・薬事法管理者の資格を取得している木村ひかりです。
薬事法管理者 木村ひかり

「仕事に活かせる資格を何か取りたい」

「スキルを身につけて何か副業を始めてみたい」

このような薬剤師にぜひチャレンジしてほしいのが、薬事法管理者の資格です。

認定薬剤師や専門薬剤師などと比べるとはるかに簡単に取れる資格なのに、いろいろな場面で役に立てることができます。

今回は薬剤師が薬事法管理者を取得するメリットやデメリット、講座で学べる内容や取得する方法などをご紹介します。

この記事を読むメリット

  • 薬剤師が薬事法管理者を取得するメリットが分かる
  • 薬剤師が具体的にどういう場面で資格を活かせるのかが分かる
  • 薬剤師以外にチャレンジできる職業が分かる

私も実際にこの資格を取得して仕事の幅を広げることができました。
薬事法管理者 木村ひかり

 

そもそも薬事法管理者とは?

研修認定薬剤師やがん専門薬剤師など、薬剤師として働いていると「○○認定薬剤師」や「○○専門薬剤師」という資格をよく耳にします。

こういった資格と比べると薬事法管理者は名前すら知らない方のほうが多いかもしれません。

まずは薬事法管理者がどういった資格なのかをご紹介します。

 

薬機法(旧:薬事法)の概要

これまで薬事法と呼ばれていた法律は、2014年の改正により薬機法へと名前を変えました。

正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。

簡単にいうと医薬品や医療機器などを正しく販売し正しく使うための法律だと言えます。

大学の講義でも勉強する内容なので、ご存知の方も多いでしょう。
薬事法管理者 木村ひかり

 

薬事法管理者の運営団体

薬事法管理者の資格は「薬事法有識者会議」が運営しています。

薬機法に密接な関係がある健康食品や化粧品メーカーなどのヘルスケアビジネスをサポートするために設立されました。

薬機法に関する知識をもつ学識経験者や実務経験者などが集まって活動をされています。

薬事法有識者会議は、薬事法管理者に他にもコスメ薬事法管理者という資格も主催しています。

コスメ薬事法管理者との違い

薬事法管理者が主に健康食品やサプリメントの薬機法について学んでいくものなのに対して、コスメ薬事法管理者は化粧品について学んでいくものです。

化粧品についても学びたい方は、ぜひコスメ薬事法管理者も一緒に取得するのをおすすめします。同時に受験すると講座費用も割引になりますよ。
薬事法管理者 木村ひかり

 

薬機法についての基礎知識があることを証明する資格

2014年の改正により薬事法は薬機法へと名前を変えましたが、資格名は変わらず“薬事法”管理者となっています。

名前は薬事法となっているものの、薬事法管理者は薬機法についての知識があることを証明する資格です。

薬事法管理者の資格は指定のeラーニング講座を受講し、試験に合格することで取得できます。

講座は全部で14章です。

薬機法に関連する資格は今のところ薬事法管理者以外にはありません。

そのため薬事法管理者は、薬機法の知識を習得するためには有用な資格であると言えるでしょう。

講座では、次のような内容を学びます。

eラーニング講座

・実際にあった薬機法違反の例
・景品表示法の知識
・健康増進法の知識
・薬機法に違反しない表現

始めに薬機法や景品表示法、健康増進法がどういった法律なのかを学び、後半で薬機法に違反しない表現例を習得していきます。

法律の概要と、可能な表現方法について学べることが特徴です。

 

薬剤師が薬事法管理者を取得する5つのメリット

薬剤師で薬事法管理者の資格をもっている方は、まだまだ少ないかもしれません。

しかし資格を取得することで、さまざまなメリットを得ることができます。

 

【メリット1】店舗に設置するPOP作りに活かせる

調剤薬局やドラッグストアで働いていると、商品のPOPを作ることがあります。

とくにドラッグストアの場合は、書く機会がとても多いはずです。

このPOP作り、注意しないと意外にも簡単に薬機法違反となってしまいます。

たとえば乳酸菌サプリで次のような文を書くと、薬機法違反です。

「乳酸菌サプリで便秘改善!」

うっかり書いてしまいそうではないですか?

違反の例

健康食品では体の機能を改善するような効能効果を書くことはできないので「便秘改善」はアウトです。
効かないものをあたかも効くように売るのは、薬剤師のとしてのモラルにも反します。

「便秘改善って書いてあるのに効かない!」とクレームになる可能性もあるので、POP作りをする機会が多いなら薬機法について学んでおいても損はありません。
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【メリット2】健康食品や化粧品開発で広告作りができる

健康食品や化粧品を作っているメーカーで働いていると、広告を作ったりキャッチコピーを考えたりといった業務を行うこともあります。

作った広告やキャッチコピーが薬機法に違反していると、せっかく時間をかけて作ったのに全部作り直しです。

商品が販売されてから薬機法違反を指摘されば場合は、パッケージの変更を余儀なくされることもあります。

円滑に業務を進めるためにも、薬事法管理者の資格は大いに役立ちます。

 

【メリット3】副業を始めるときに役立つ

近頃では副業を始める薬剤師も増えてきました。
薬事法管理者 木村ひかり

休みの日に薬局やドラッグストアでアルバイトをする薬剤師、WEBライティングやブログでコツコツ稼ぐ薬剤師などさまざまです。

とくにWEBライティングを考えている薬剤師は、薬事法管理者の資格を取得しておくことで良いスタートダッシュを切れるでしょう。

というのも、薬事法管理者の資格があるだけで「この記事の薬機法チェックをお願いします」といった依頼がけっこう貰えるのです。

WEBライティングは自宅でできる副業であることからとても人気なのですが、どうしても駆け出しのころはなかなか依頼を貰えません。

しかし薬事法管理者の資格があることで、駆け出しでも依頼を貰いやすくなるのです。

 

【メリット4】間違った商品の紹介を避けられる

「何かおすすめのサプリはありますか?」と患者さんから聞かれたときに「このサプリがニキビに効きます」とか「体脂肪が減ります」といった説明をしていませんか?

何かの症状が治ったり、体に変化が起こったりするという効果はサプリメントには本来ありませんし、そもそも謳うことはできません。

間違った言葉を選んで商品を勧めてしまうことで、患者さんに無駄なお金を使わせてしまう可能性があります。

薬剤師が勧めてくれたサプリだから効くに違いないと思ってしまう方も少なくないでしょう。

間違いリスクを避けられる

薬機法についての知識があればサプリメントや健康食品と医薬品の違いをよりハッキリと認識することにつながるため、間違った商品を紹介してしまうリスクを避けられます。

 

【メリット5】薬剤師の仕事に自信をもてる

薬剤師なら薬機法について詳しく知っていると思っている一般の方は意外にも多いです。

たしかに大学で薬機法については学びますが、学ぶのはあくまで法律の基礎知識。

可能な表現方法についてはそこまで勉強しません。

しかし「薬剤師だから薬機法も知っているよね」という先入観があるのか、薬機法について聞かれてしまうことがあります。

とくに商品の開発やWEB広告、ライティングなどに携わっていると薬機法について尋ねられることが多いものです。

こういった場合に、曖昧な返事をしたり分からないと突っ返したりせず、自信をもって答えられるようになります。

 

薬剤師が薬事法管理者を取得する2つのデメリット

薬機法の知識を習得することそのものにデメリットがあるわけではありません。

しかし薬事法管理者の資格取得を目指している薬剤師にはぜひ知っておいてほしいことが2つだけあります。

 

【デメリット1】取得しても年収アップにはつながらない

薬事法管理者は、残念ながら年収に直結する資格ではありません。

薬事法管理者の取得をきっかけに副業を始める場合は、副業をした分だけ収入は増えます。

しかし副業ではなく本業のために資格を取得した場合は、ほとんど年収にはつながりません。

これは認定薬剤師や専門薬剤師の資格を取得しても年収がなかなか上がらないのと似ています。

収入アップは別問題

資格があることで仕事に知識を活かせることはあっても、給料に反映されるかは別問題です。

「給料を上げたいから何か資格を取りたい!」という方には向いていないと言えます。
薬事法管理者 木村ひかり

 

【デメリット2】講座を受講しなくても学べる内容が多い

薬機法についての知識は、正直にいうと薬事法管理者の講座を受講しなくても学べます。

講座を受講しないと学べない内容というのは、ほぼありません。

そのため薬機法について学ぶことが目的の場合は、あえて講座を受講する必要がないとも言えます。

薬機法の知識を習得した上で、さらにその知識を仕事に活かしたい方に向いている資格だと言えるでしょう。
薬事法管理者 木村ひかり

 

薬事法管理者を取得することで薬剤師がチャレンジしやすくなる職種

POP作りや商品紹介に資格を活かすのも良いですが、資格を活用して違う職種にチャレンジしてみることもおすすめです。

 

【1】健康食品や化粧品の開発

ほとんどの薬剤師は調剤薬局やドラッグストア、病院などで働いています。

しかし薬剤師が働ける場所はこれだけではありません。

健康食品や化粧品などのメーカーでも薬剤師は活躍できます。

メーカーで働く場合、とくに広告やキャッチコピーを作る場合は必ずといってもいいほど薬機法の知識が必要です。

業務をスムーズにできる

薬機法について知っているだけで業務をスムーズに進められたり、より良いキャッチコピーを作れたりするようになります。

 

【2】WEBメディアの運営会社

WEBメディアを作る場合も、薬機法の知識が必要です。

違反するとGoogleからペナルティを貰い、せっかく作ったWEBページがGoogleの検索にヒットしなくなってしまう可能性もあります。

WEBメディアはGoogleでいかに上位表示できるかがとても大切です。
薬事法管理者 木村ひかり

薬機法に遵守したメディアを作ることができれば、ペナルティも避けられますし会社の業績アップにもつながります。

 

【3】メディカルライター

メディカルライターとは、臨床試験の企画書や製薬会社のパンフレットなどを作る仕事です。

医療情報を発信しているメデイアの掲載記事を書くこともあります。

正しい内容を伝えられる

薬機法の知識がないとできない仕事ではありませんが、違反しない表現を操れることでより正しい内容を伝えられる文章を書くことが可能です。

 

【4】WEBライター

WEBライターとはWEBに掲載される記事を執筆する仕事です。

メディカルライターと似ていますが、WEBライターの場合は医薬品だけではなくメイクや生活用品などさまざまなジャンルの記事を執筆します。

薬剤師がWEBライターとして働く場合は、とくに健康食品やサプリメントなどの記事を書くことが多くなるでしょう。

これらの記事を書くときに必ず薬機法の知識が役に立ちます。
薬事法管理者 木村ひかり

 

【5】薬事申請

医薬品や医療機器の製造や販売をするためには、厚生労働省から承認を受ける必要があります。

薬事申請とは

承認申請をするためには薬機法にもとづいて商品の特徴や治験の結果を書かなければなりません。
この申請業務をするのが薬事申請です。

薬事申請の業務を行うためには必ず薬機法の知識が必要になります。

 

薬事法管理者を取得するには

薬事法管理者の資格はいくつかのステップを踏むことで取得が可能です。

仕事をしながらでも簡単に取得できます。

薬剤師なら薬機法の概要はすでに知っていると思いますので、隙間時間でも十分に勉強を進められるでしょう。

薬事法管理者の勉強法については、薬事法管理者がすすめる勉強法の記事を参考にしてみてください!

 

薬事法管理者の受験資格

受験資格は「薬事法有識者会議の認定する講座を修了していること」です。

実務経験はとくに必要ありません。
薬事法管理者 木村ひかり

薬事法有識者会議の認定する講座は薬事法有識者会議が実施している講座以外にはありませんので、該当の講座を修了することで受験できるようになります。

 

【ステップ1】講座を受講する

講座はeラーニング形式となっています。

講習を受けに外に出る必要はなく、すべてパソコンやスマートフォンだけで受講可能です。

各章の最後にはチェックテストがあり、このチェックテストまで終えると1つの章が完了となります。

 

【ステップ2】修了試験や資格試験に合格する

全14章の講座を終えて修了試験そして資格試験に合格し、最後に登録講習を受ければ薬事法管理者を取得できます。

内容

薬機法や景品表示法についての基礎を学んだ上で、違反しない表現について学んでいく形式の講座です。
健康食品やサプリメントについて法律を体系的に学べる内容となっています。

薬事法管理者を取得するために必要な費用は、合計で89,800円(税込)です。

内訳は以下のようになっています。

講座の受講料 49,800円
修了試験 10,000円
資格試験 20,000円
登録講習 10,000円
合計金額 89,800円

修了試験とは、すべての講座を受講し終わった後に受ける1つめの試験です。

記述問題が数問出題されます。

試験時間は60分です。

記述形式ではありますが、簡単に出題文のどこが薬機法に違反しているのか、なぜ違反なのかを書くだけですので1題につき数行ほど書ければ問題ありません。

資格試験は、修了試験に合格した後に受ける試験のことです。

こちらも内容は修了試験とほぼ同じで、記述形式となっています。

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Eラーニング形式なので自宅で学習!

 

【ステップ3】登録講習を受ける

最後に登録講習を受ける必要があります。

講習といっても簡単なチェックテストを受けるだけです。
薬事法管理者 木村ひかり

合否もとくにないので、いくら間違えても問題ありません。

そのため修了試験と資格試験をクリアしたら、もう資格を取得したも同然と言えるでしょう。

ちなみに薬事法管理者の資格の有効期間は1年間です。

期限が切れるまでに更新のお知らせがメールで届きますので、資格が必要な方はそのつど更新手続きをする必要があります。

更新料は1回目と2回目は20,000円、3回目からは10,000円です。

 

薬事法管理者の資格講座で学べる内容は?

全14章ある講座では、次のような内容を学習していきます。

講座名
第1章 薬事法の基本的理解
第2章 薬事法違反のペナルティ (1)
行政指導
第3章 薬事法違反のペナルティ (2)
刑事摘発
第4章 景表法の実践的理解
第5章 薬事法とサプリメント
第6章 健康増進法とはどういう法律か
第7章 行政関与型 (1)
特保 (特定保健用食品)
第8章 行政関与型 (2)
栄養機能食品
第9章 明らか食品
第10章 使える表現・使えない表現
(サプリメント編)
第11章 ダイエット食品
第12章 機器タイプ
第13章 塗りタイプ
(化粧品・医薬部外品)
第14章 行政関与型 (3)
機能性表示食品

1章から順に進めないといけない決まりはないので、気になるところから受講することも可能です。

一見するととても量が多いように見えますが、ぎっしり内容が詰まっているわけではなくサラッと進められます。

私の場合は、全講座の受講と試験を合わせて6時間で終わりました。
薬事法管理者 木村ひかり

 

薬剤師以外の方にもメリットが豊富!

薬事法管理者の資格は、もちろん薬剤師でない方にも取得するメリットがあります。

 

【1】仕事の幅を広げられる

とくにWEB関連の仕事をしている方は、薬機法を知っているか知らないかだけで受注できる仕事の量が大きく変わります。

「薬機法のチェックをお願いします」

「薬機法を意識した記事作成をお願いします」

といった依頼が増えるのです。

仕事の幅が広がればそれだけ収入アップにもつながります。
薬事法管理者 木村ひかり

 

【2】会社の業績アップにつながる

いくら良い商品を開発しても、広告内容が薬機法に違反していたら売れるものも売れません。

下手すれば訴訟沙汰になってしまうこともあります。

薬機法について知っておくことで、商品の魅力を最大限にアピールしながらも違反にならない広告を作れるようになるため、業績アップにつなげることができるでしょう。

 

【3】転職で活かせる

薬機法について知っていると、WEB業界や広告代理店への転職が有利になります。

これらの業界で仕事をするためには、必ず薬機法の知識が必要です。

WEB業界での違反

薬機法に違反した広告を作ってしまうと、広告の掲載が否認されたりGoogleからペナルティを貰ってしまう可能性があるからです。

WEB業界や広告代理店に興味がある方は、ぜひ薬事法管理者の取得を検討してみてください。

 

薬剤師が薬事法管理者を取得して働く際の注意点

薬事法管理者を取得したからといって、すべての範囲の薬機法について学べるわけではありません。

実はコスメ薬事法管理者まで取得したとしても、脱毛や補聴器、輸入に関する決まりやペット商品についての知識は学べないのです。

資格を取得してもカバーしきれていない範囲があることは知っておく必要があります。

薬機法に関係する仕事をしていると、資格ではカバーできないことも出てくるでしょう。

講座以外の勉強も大事

そのため資格を取得した後は、講座では触れられなかったところまで勉強しておくことをおすすめします。

「資格を取ったから薬機法の知識は完璧!」と思っていると、対応できない場面に遭遇してしまうかもしれません。

薬事法ドットコムのサイトで「薬事法ルール集」が公開されています。ここのページを読み込めば、すべての範囲の薬機法を学ぶことが可能です。
薬事法管理者 木村ひかり

 

まとめ

薬剤師は何かと「薬機法について知っている人」と思われてしまうことが多いものです。

たしかに薬機法についての基礎知識はありますが、表現方法までは知らない方が多いでしょう。

どういう表現が可能なのかまで学べるのが薬事法管理者の講座です。

資格を取得すれば普段の業務に活かせることはもちろん、副業でも活躍できます。

薬剤師の認定資格と比べるとはるかに短い時間で簡単に取得できるので、ぜひ受講してみてください。

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