高千穂 香織
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- ITパスポートの試験に合格するための勉強時間はどのくらい? - 2020年8月17日
ITパスポートは企業の人材育成や採用活動などにも幅広く活用されており、社会人はもちろん、これから社会人となる学生にとっても取得が推奨されている、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家資格です。
ITが私たちの生活やビジネスにとって必要不可欠となった今、「ITパスポート」への注目度は年々増しています。
コロナウイルスの影響でテレワークをはじめとするIT化がますます進んだことにより、ITに関する知識を身に付ける必要性を感じている人は多いのではないでしょうか?
今回は「ITパスポートに合格するために必要な勉強時間はどのくらいなのか?」という疑問に、効率よく合格するためのポイントやおすすめの通信講座と合わせてお答えします。
この記事を読むメリット
- ITパスポートの合格に必要な勉強時間の目安がわかる
- IT初心者でも合格できた勉強方法がわかる
- 短期間で合格するためのポイントがわかる
- おすすめの通信講座の違いがわかる
1.ITパスポート試験に必要な勉強時間を知るための事前準備
ITパスポートの合格率は例年50%前後を推移しています。
あくまで基礎的な知識を証明する試験なので、数あるIT系の資格試験の中では低めの難易度です。
年度 | 合格率 |
平成27年度 | 46.6% |
平成28年度 | 47.1% |
平成29年度 | 47.8% |
平成30年度 | 52.2% |
令和元年度 | 54.6% |
※ITパスポート試験 統計情報を元に作成
また、令和元年度のIT系企業の社会人と非IT系企業の社会人の受験割合は4:6です。
テスト形式が全て選択式であるため、日頃からITに従事していない初心者でも、正しい知識を身に付けることで十分合格レベルに達することができます。
①まずはスタート地点(実力)を把握する質問です
自分にとって必要な勉強時間を把握するために、まずは実際の問題を見てみましょう。
Q PCの周辺装置を利用可能にするためのデバイスドライバに関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア)HDDを初期化してOSを再インストールした場合,OSとは別にインストールしていたデバイスドライバは再インストールする必要がある。
イ)新しいアプリケーションソフトウェアをインストールした場合,そのソフトウェアが使用する全てのデバイスドライバを再インストールする必要がある。
ウ)不要になったデバイスドライバであっても,一度インストールしたデバイスドライバを利用者が削除することはできない。
エ)プリンタのデバイスドライバを一つだけインストールしていれば,メーカや機種を問わず全てのプリンタが使用できる※ITパスポート試験ドットコムより引用
この問題に対して「基本のキ」だと思った方
この問題に対して「これは基本のキじゃないか!」と思ったあなたは、おそらく日頃からITに従事されている方でしょう。
問題文自体もすらすら読めたと思います。
そんなあなたはサクッと②のトピックへ進んでください。
「デバイスドライバって?」と思った方
一方で「デバイスドライバって何?」「2択にすら絞れません」というあなた。
この手の問題が本番では100問続くとなると、気が遠くなるでしょう。
私もIT初心者でしたので、最初にこの問題を見たときは「ドライバ?プリンタのねじ回し?」なんてことを想像していました。
思い返すと恥ずかしい話ですが、これくらい初心者でもきちんと勉強すれば大丈夫です。
今はほとんど知識が無くても必要な勉強時間を把握し、きちんと計画立てて勉強すれば必ず合格を掴みとれます。
希望を持って③に進んでください!
②IT系に従事している方の場合の勉強時間目安 50時間
必要な勉強時間の目安はおよそ50時間です。
「さっきの問題なら楽勝だから、もっと短いと思った」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は、ITパスポートの試験範囲はストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系と分かれており、IT知識だけが問われるわけではありません。
そのため、ストラテジ系の分野に含まれる企業法務や経営戦略について、十分な知識が無い場合は対策が必要です。
学習方法としては、過去問などが含まれた問題集を活用して、アウトプット中心の学習を進め、知らない知識を補充していくのが得策でしょう。
③文系・初心者の方の場合の勉強時間目安 100時間
必要な勉強時間の目安はおよそ100時間です。
ITについては初心者でも、上記で紹介したようなストラテジ系についての知識や経験があれば、さらに短い時間で合格することも可能です。
学習方法としては、テキストを読んだり講義動画を見たりしながら正しい知識を身に付け、その上で問題に慣れていくのが得策でしょう。
インプットからアウトプットへ段階を踏んで学習することで「わかるようになってきた!」と成果を実感できるはずです。
最初のうちは分からないキーワードが多く、テキストを読むのにも一苦労かもしれませんが、慣れてくると学習のスピードはぐんぐん上がります。
最初のうちにきちんとインプットしておくことが、最終的な勉強時間の短縮に繋がります。諦めずに頑張りましょう!
2.【実録】IT初心者の私が2ヵ月で合格できた勉強計画
IT初心者であった私が合格するまでに要した期間は約2ヵ月です。
ここでは学習時間の配分と勉強方法について実体験をもとに紹介します。
こんな受験生でした
・取得時期…大学4回生の秋
・所属学部…社会学部(文系)
・保有資格…特になし
・取得のきっかけ…IT商社への内定が決まっており、資格の取得が入社の条件だったため。
①インプットにかけた時間と方法
インプットにかけた時間はおよそ40時間です。
下記のテキストの内容を、1カ月かけてインプットしました。
表や図解の多いテキストであるにも関わらず、最初のうちは1ページ読むだけでも時間がかかったことをよく覚えています。
1~2時間かけてがっつり読むのは大変だったので、1日当たり30分×2セットに分けるなど工夫しながら、1週間に10時間は勉強時間を確保していました。
令和2-3年度版 ITパスポート試験 対策テキスト&過去問題集(よくわかるマスター)
価格 | ¥2,420 |
出版社 | FOM出版(富士通エフ・オー・エム) |
わかりやすさ | シラバスに沿って体系的に学べる |
イラストの豊富さ | 図表がふんだんに盛り込まれている |
おすすめ度 | ★★★★★ |
→Amazon(https://www.amazon.co.jp/dp/4865104208/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_366lFb4SKVWHJ)
②アウトプットにかけた時間と方法
アウトプットにかけた時間はおよそ40時間です。
頭の中に入れた知識を、試験本番で使えるようにどんどん引き出してあげます。
様々な問題に触れる中で、新しい知識に出会ったらその都度インプットをします。
その繰り返しで試験直前までとにかく問題を解きまくりました。
①で紹介したテキストに問題集と過去問題集も含まれていたので、それらを使って演習を行いました。
③セルフ模試にかけた時間と方法
試験の1週間前に「セルフ模試」を行いました。
つまり、120分以内で100題を解ききる練習をしておくということです。
本番を想定したリハーサルを行うことによって「わからない問題への対処法や心構え」「疲れてきた時のリフレッシュ法」についても考えることができます。
本番で実力が発揮できるよう、試験中に起こり得る様々なことをを想定しておくのは重要です。
3.ITパスポート試験の勉強時間を少なく効率的に勉強するポイント5つ
ここまでITパスポートの合格に必要な勉強時間について詳しく見てきましたが、せっかくなら目安の時間よりも、より短い勉強時間で合格したいですよね!
ここからは効率よく勉強するためのポイントを5つ紹介します。どなたでも実践しやすいポイントですので、参考にしてみてください。
【ポイント1】広く浅く身に付けるイメージを持つ
ITというのは非常に奥深いものです。
そのため、深く勉強しようとするといくらでも出来てしまいます。
ITパスポート試験は100点を取らなければいけない試験ではありません。
苦手な論点や頻出ではない論点まで、すべて完璧にしようとすることは非効率です。
「70%くらいわかった気がするから、問題を解いてみよう」くらいの気持ちで取り組む方が結果として満遍なく学習でき、合格点に達する可能性も高くなります。
【ポイント2】スマートフォンを有効活用する
あれこれ色々な教材に手を出さず、これと決めたものに絞って学習するのは効率的です。
ですが、手元のテキストの説明が必ずしもあなた自身にとって分かりやすいとは限りません。
キーワードの説明がしっくりこない時は、あれこれ自分で解釈する前にネットで検索してみましょう。
私はIT企業のWebページにある「IT用語辞典」などのコンテンツをブックマークして活用していました。
携帯のメモに調べたいキーワードをメモしておけば、隙間時間にさっと調べられるので効率的です。
おすすめのサイト
①株式会社大塚商会 IT用語辞典
https://www.otsuka-shokai.co.jp/words/
→大手IT企業の用語辞典なので、基礎から最新のトレンドまで幅広く掲載されています。
②「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典
https://wa3.i-3-i.info/
→現役のエンジニアが作っているサイトです。これでもか!というくらいかみ砕いた説明付き。手作りのイラストや図解も多く、初心者の方には特におすすめです。
③ITパスポート過去問道場
https://www.itpassportsiken.com/ipkakomon.php
→無料のユーザー登録のみで使える、解答解説付きのWeb問題集です。過去10年分の過去問をランダムに解くことが出来ます。
【ポイント3】本番まで継続的に学習する
「知識を聞かれるんだから覚えればOK。一夜漬けの暗記なら得意!」と思っている方がもしいらっしゃれば、ITパスポートは2、3日の追い込みで合格できるほど甘くはないと強くお伝えしたいです。
特に初心者の方にとっては「IT用語に対する慣れ」が勉強へのモチベーションに強く影響しますので、継続的に学習することが大事です。
日々の積み重ねが短期間での合格に繋がります。
【ポイント4】この日に合格する!と決めて勉強を始める
誰しもゴールが明確になれば頑張れるものです。
ITパスポートの試験は年に数回行われていますので、先延ばしにしようとすればいくらでも出来てしまいます。
私の周りにも「思うように勉強が進まなかったから、次回でいいや」と先延ばし、未だに受験していない人たちがいます。
試験日程を決めて「この日に合格する!」と腹をくくり、自分自身にだらだら勉強させないことが、短期間で合格するためのポイントです。
【ポイント5】通信講座を利用する
ここまであらゆるポイントをお伝えしてきましたが、最短合格をめざすのに一番の近道は通信講座を利用することです。
独学での試験対策は、教材選びから学習計画を立てることまで、全て自分でしなければなりません。
特に初心者の方はどのようなテキストを選んだら良いのか、何をどのような順番で学習することが効率的なのか、なかなか判断がつかないでしょう。
通信講座のように合格に必要なエッセンスが詰まったものを利用するのは、間違った勉強計画・方法になるリスクも取り除け、非常に有効な手段です。
4.勉強時間の管理におすすめのアプリ
試験勉強の際に自分のモチベーションを維持する方法は多々ありますが、勉強時間を記録しておくことはその一つでしょう。
自分の勉強時間を可視化するのに役立つアプリ、それが「Study Plus」です。
「Study Plus」でできること
Study Plusには、自分の勉強記録を残しておく以外にも様々な機能があります。
特に、これまで勉強の記録を手書きでメモしていた方や、勉強時間の管理を手軽にしたい方にとっては、とても画期的なアプリであること間違いなしです!
①学習を記録する
勉強時間や使用教材、コメントをタイムラインに記録できます。
10分しか勉強できなかった日でも記録を残すことで「勉強時間ゼロの日を作りたくない!」とやる気にも繋がりました。
また、同じ資格を目指している他のユーザーをフォローすれば、相手のタイムラインも見ることができます。
私は他のユーザーの記録を見て「こういう教材もあるんだな」と情報を得たり、毎日きちんと勉強をしている人から刺激を受けたりもしていました。
②学習内容をグラフで確認
日・週・月ごとにグラフ表示が出来るので、勉強量や学習分野のバランスを振り返ることができます。
私は週ごとの勉強時間をグラフで確認していました。
週ごとの目標時間を設定することで、それに対する進捗度を意識して勉強できます。
一日ずつの目標を立ててもいいのですが、私は予定が狂うとやる気がなくなってしまう気がしたので、1週間の間でうまく調整することを心掛けました。
③カウントダウン機能
試験までの残り日数が一目でわかります。
アプリを開けば残り日数が見えるので、いい意味で自分を焦らすことが出来ました。
試験が近づいてくると緊張も増してきますが「あと何日で終われる!」と最後までモチベーションを維持することにも役立ちました。
Study Plusは無料の会員登録をすれば誰でもすぐに使えます。
試験前に自分の記録を振り返ることで、「これだけやったんだ」という自信にもなるので、ぜひ使ってみてください!
アプリのダウンロードはこちら↓
https://www.studyplus.jp/
5.ITパスポートの勉強時間を最短で済ませるなら通信講座!
最後に、初心者でも無理なく安心して合格を目指せる、おすすめの通信講座を紹介します。
先ほどの「効率よく勉強するためのポイント」でもお伝えした通り、通信講座はあなたの心強い味方です。
①スタディング ITパスポート講座
講座のおすすめポイント
①ポイントを絞った教材で効率よく学習できる
②専門用語の暗記に役立つツール付き
③全てがWEB教材だからいつでもどこでも勉強できる
スクールの概要
忙しい社会人が無理なく勉強を続けられるように「隙間時間の活用」を重視したカリキュラムが特徴です。
テキスト、問題集、模試など紙媒体の教材は一切ないので、スマホが1台あればいつでもどこでも勉強できます。
机に向かわなくても十分にインプット・アウトプットができる環境が手に入り、通勤時間や家事の合間な徹底的に時間を有効活用したい人にぴったりの講座です。
専門用語をかみ砕いた丁寧な解説動画は、初心者にも非常にわかりやすいと好評です。
また、オリジナルの問題集では「ひっかけ問題にかからない」ために十分な演習が積めるように作られています。
基礎的な内容とはいえ、ITパスポートの取得が難しそうというイメージがある方にはぴったりの講座です。
料金 | ¥7980+税 (2020年合格目標コース) |
分かりやすさ | ★★★★★ |
内容の充実度 | ★★★★☆ |
講師の質 | ★★★★★ |
サポート体制 | 学習時間と進捗状況 のレポート機能 |
コスパ | ★★★★★ |
\丁寧な解説動画は必見!/
スキマ時間を活用して学びたい方にピッタリ!
②オンスク.JP ITパスポート講座
講座のおすすめポイント
①1コマ10分の講義動画で隙間時間に勉強できる
②全400題の問題集でアウトプットを強化できる
③教材のダウンロード、学習の進捗管理もすべてWEB上でできる
スクールの概要
まとまった勉強時間が取りにくく、通勤時間を有効活用したい社会人の方に特におすすめの講座です。
講義内容が項目ごとに細かく分けられ、1コマ10分程度の動画になっているので、初心者でも気軽に学習を始められます。
また、様々な資格の講義が好きなだけ受けられる「ウケホーダイ(月額¥980~)」というサービスもあるので、他の資格と組み合わせて勉強したい人にはコスパの良いスクールです。
実際にITパスポートと組み合わせて受講がおすすめされている講座は「スプレッドシート実務」や「衛生管理者」です。
この二つが挙げられている理由はテレワークが増えたことによって、働き方にも変化が生まれたからです。
テレワークで使えるスキルや、労働に関する法律も同時に勉強することで、ITパスポートで学んだ事をさらに活用することができます。
料金 | ¥3980+税 (ITパスポート3ヶ月パック) |
分かりやすさ | ★★★★☆ |
内容の充実度 | ★★★☆☆ |
講師の質 | ★★★★☆ |
サポート体制 | 会員同士のQ&A機能 |
コスパ | ★★★★☆ |
③フォーサイト ITパスポート通信講座
講座のおすすめポイント
①フルカラーテキストなどこだわり抜かれた教材で学べる
②疑問や不安の解消に役立つ充実のサポート体制
③試験に関するお役立ち情報が満載の講師ブログ
スクールの概要
フォーサイトの魅力はなんといっても驚異的な合格率です。
2019年の合格率は84%で、これは全国平均の1.55倍にあたります。
カリキュラムは図解入りで分かりやすいフルカラーのテキストに加えて、臨場感のある講義映像、過去問題集、さらに模擬試験までもがセットになっています。
充実のカリキュラムをきちんとやり遂げれば、一発合格にぐんと近づくでしょう。万全の対策で試験に臨みたい方にはぴったりの講座です。
また、合格手帳や合格ポスターなど、モチベーションを維持するための合格グッズが副教材として付いてきます。
これは他の通信講座にはない、フォーサイトならではのサービスです。
申込時期によっては中身が変わる可能性もありますが、どんなものが届くのか楽しみですね!
料金 | ¥14800+税+送料 (ITパスポートスピード講座) |
分かりやすさ | ★★★★★ |
内容の充実度 | ★★★★★ |
講師の質 | ★★★★★ |
サポート体制 | メールでの質問受付制度 |
コスパ | ★★★☆☆ |
まとめ
今回はITパスポートに合格するために必要な勉強時間や、短期間で合格するためにおすすめの通信講座などを紹介しました。
ITパスポートはビジネスの場はもちろん、日常生活にも役立つ知識をたくさん身に付けられるお得な資格です。
自分に合う勉強スタイルを見つけ、合格を目指して頑張りましょう!
高千穂 香織
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